プレゼンから学ぶ「相手への働きかけ」

情報があふれている現代社会では、自分や商品の魅力をしっかりと印象付けていけるかどうかで周りと差がつくことになります。
相手がどんな印象を抱いているかによって、評価や結果は変わっていきます。
相手の記憶に長く残り続けるにはどうしたらよいでしょうか。
相手に採用や購入といったポジティブなアクションをさせていくには、あなたはどの様にしたら良いでしょうか。
これは、プレゼンテーションから学ぶことが出来ます。
心理学を用いたマーケティング手法の一つとして、「初頭効果」「終末効果」を利用するものがあります。
人の心の動きを理解して、相手に効果的なインパクトを与え、自分の望む方向に、未来をコントロールしていきましょう。

「はじめ」と「おわり」のプレゼン心理学

◆「第一印象が最強」初頭効果
「第一印象」と言った方が知っている人は多いでしょう。
物事の一番最初が記憶に残りやすい、インパクトを受けやすいという効果のことです。コンクールの審査などでも、一番に出てくる人が後の人の基準になるので有利だ、と言われたりしますよね。
人は出会ってからたった7秒程度で相手の印象を決めてしまい、以後3年程度はその印象が持続し続けます。テレビショッピングなら、「はいどーも!今日はコチラの商品を紹介します」と言った段階で、もうその番組に出てくる商品全体のイメージが決まってしまうことになりますね。とはいえ、他者が受け取る印象を自分の方でコントロールしようというのはかなり難しいのです。それでも自分の思い通りの印象を残したい場合は、出会った瞬間から行動を開始しましょう。例えば、「自信がありそう」と思われたい場合には、胸を張る、人前で満面の笑みを見せるなど、とにかく「自信がありそう」と思われるような行動をまずとっておく必要があります。
プレゼンではそれが初めの7秒となり、あなたのイメージが相手の中に大体出来上がります。その上で、冒頭1分間に相手を引き込める魅力的なフレーズを用意しておきましょう。

◆「やっぱり最後が肝心」終末効果
一番最後に聞いたフレーズが、商談の是非を決めるということも珍しくないでしょう。
通販サイトでも、ページの文末にセールスポイントを設定し、購入ボタンの手前で思い切り魅力を伝えている場合があります。
出会い頭と同じようにプレゼンが終わる直前、別れ際の発言や行動もまた、人間の心に残りやすく、こちらは終末効果と呼ばれます。わたしたち人間は、最後に告げられたことを重要だと判断するクセがあるので、それを利用して決断を迷っている人の行動を決定したり、それまで持っていた印象より魅力的なものに見せることが出来る場合があります。映画のように脚本を構成し、クライマックスに向けて顧客の感情を揺さぶることを意識しましょう。話を進めるうちに飽きられてしまわないような工夫や、顧客に商品に対して強い興味があることが前提となりますが、最後に伝えたい部分をアピールしたときの成約率は高いものになります。

◆使い分けで顧客の心をつかむ
結局「始まり」と「終わり」どっちがより重要なの?と思うかもしれません。結論としてはどちらが効果的というより、特に顧客の興味度による使い分けが重要になってきます。
セールスレターやLPのデザインを考えるときにも、購入してくれる客層の状態を、全く商品を知らない(潜在顧客)か商品を知っているか、買っている(見込客・既存客)、長く商品を愛用している(固定客)と分類することで、それぞれに対してどのようなアプローチが効果的なのか、具体的に検討することが出来ます。商品の情報をあまり持っていない潜在顧客には、序盤でインパクトを与える「初頭効果」、既に十分知識のある見込み客・既存客などに対してはダメ押しの「終末効果」を狙うとよいとされています。
プレゼン資料を作成する前に、「誰に」「どんな方法で」話を展開していくのか、しっかりと意識することが顧客獲得につながりやすいプレゼンを作ることが出来ます。

MonAmie