ご褒美はあげない方が良い!?

頑張ったごほうびをもらって嬉しくない人はいません。
自分を評価してもらえた客観的な証拠だと感じるからです。
仕事が楽しくないと思っている部下には、特別なごほうびでテコ入れを図るのが手っ取り早いと言われています。
では、喜んで仕事に取り組んでいる部下に対して同じように特別なごほうびを与えれば、更なる成長が見込めるでしょうか。
実はそうでもありません。
それまで「やりたいからやっていた」ことでも、ごほうびをもらった瞬間から、「ごほうびをもらうためにやる」に動機が変わってしまうのです。
仕事を楽しんでいる人の「楽しい」という気持ちを守るためにも、やみくもにごほうびを与えてはいけません。

本日もやる気を高める戦略的思考を研究していきましょう。

★ごほうびを乱発しない

~ごほうびがあるとき~
動物があまり好きではなくても、自分にとって何らかの利益があればその飼い方を学んだり、世話をしたりするでしょう。一方で、動物が大好きな人は、何か利益があろうがなかろうが、初めから世話をしようとしてくれます。自分の欲求に従っているだけなので、はじめから報酬など期待していません。「好き」という気持ちだけで動いています。ところが、「よく頑張っているから特別に」と報酬をもらった段階で「またごほうびをもらえるように頑張ろう」という気持ちが湧いてしまい、いつの間にか動物のためというよりは報酬のために動くようになってしまいます。

~ごほうびがないとき~
動物が好きではない人が、自分に何の利益もないのに動物の飼い方を学んだり、適切な世話をしたりすることはな想像しにくいと思います。動物が大好きな人は、ごほうびを期待せずに世話をはじめます。報酬のあるなしに関わらず挑戦したい、研究したいと思えるようなものを極めていく中で(この場合はブリーダーになる、動物の動画を配信するなどして)、それが収入につながったり、知名度があがったりすることがあるかも知れません。しかし、初めからそれだけを目的にして何かを始めると、もちろんすぐには結果が出ないので、モチベーションが下がってしまってあっさり断念してしまうことになります。

★楽しさという動機

結局のところ「楽しい」「好き」という感情ほど、高い意欲をキープしてくれるものはありません。「楽しいからやる」というポジティブな気持ちは、人間の遊び心、つまり創造性を刺激する強いパワーを持っています。部下が仕事の楽しさをしっかり理解してくれているなら、それを見守ってサポートに回ってあげることが上司の役割となるでしょう。それに何か特別な見返りがなくても、自分自身がやりたいことを素直にやっているだけならば、どんどん能力が成長していきます。やる気がイマイチな部下の場合には、ごほうびでのテコ入れをしつつ、その部下自身で仕事の楽しさを発見できるような環境を整えてやることが望ましいと言えます。やる気を長続きさせるためには、ごほうびのためばかりに働く人間を作り上げてはいけないのです。

MonAmie